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日高 昭秀
シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動, p.85 - 88, 2021/05
日本原子力学会の「シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動」研究専門委員会は、最近、活動内容を取りまとめた。著者はその委員として、シビアアクシデント時の核分裂生成物挙動に係る解析コード、FP挙動モデルの節において、燃料からの放射性物質放出モデルの概要と、燃料から放出された後の放射性物質の化学形態について執筆した。また、福島第一原子力発電所事故解析から得られた現行の放射性物質挙動モデルの技術課題として、以下の3点((1)大気拡散コードと環境モニタリングデータから逆算したI/Cs比に基づく福島原発事故後期のI及びCs放出機構の推定、(2)福島原発事故後放射性テルル放出時間の推定及びそれらと個々のプラント事象との関係、(3)福島原子力発電所事故中に正門付近で観測された中性子源及び4号機水素爆発の誘因となった水素の追加発生 -高温炉心溶融物のクエンチ時に起こり得る事象からの類推-)について執筆した。
三輪 周平; 逢坂 正彦
no journal, ,
原子力機構では、シビアアクシデント時に燃料から放出される核分裂生成物の化学を解明してソースターム評価手法の高度化につなげるための研究を開始した。本研究では、BWR制御棒材BCが含まれる体系でのソースタームにおけるセシウム及びヨウ素化学解明に資するため、燃料からの放出時、圧力容器内、原子炉冷却系内、格納容器内の移行時等、原子炉内各場所における核分裂生成物の化学形及び放出速度を評価する。これまでに、FP化学形評価のための技術・評価手法開発を進めてきた。また、非放射性物質を用いてFP放出・移行挙動評価のための系統的な基礎実験を実施している。放出速度評価においては、経験則による核分裂生成物放出率計算モデルCORSOR-Mを雰囲気別の放出率が計算できるように改良した。
高井 俊秀; 中島 邦久; 古川 智弘; 逢坂 正彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所における燃料デブリの取出し準備や、ソースターム評価の高度化に向け、炉内の放射性物質分布評価精度を向上させるためには、雰囲気や制御棒材との高温化学反応の影響を考慮した計算モデルを開発し、シビアアクシデント進展解析コードの改良を進めることが必要である。こうした化学的影響評価には、熱力学解析が有益であることから、FP化合物等の熱力学データベース拡充を目的として、高温質量分析法によるFP化合物平衡蒸気圧測定試験を実施することとし、測定技術の開発を行うとともに、その信頼性評価を実施した。